Guitar野郎の日記

U2が好きなギター弾きの日記

Smile again

日曜日のこと
その日は、お袋の誕生日
昼ごはんを食べに外出していたところに、その一報が届いた。

最初はご飯を食べながら、携帯を少し見ていたのであまり気にしなかったが
改めて内容を読み返すと、それは悲しい知らせだった。
嫁さんに携帯を見せると「行く?」と一言。
僕も「うん、行こうと思う」と返す。

その後は普通にお袋の誕生日を祝い、実家に着いてしばらくしてから
「お葬式が入っちゃったから、行くよ」と言い、家族で実家を後にした。

それは、いつも僕ら音楽仲間のLIVEに足を運んで下さっていた方が亡くなった。

思い浮かべるのはいつもニコニコとした笑顔ばかりで
ちょっと信じられないというのが正直なところだった。

葬儀場に着くと、皆で楽しく過ごした時間の写真が飾られていた。
聞こえてくるBGMはU2のOneという曲をシンセサイザーで鳴らしているもの
向こう側を見ると、娘さんと思われる方が泣きながらお友達と話している。

そういう場面に居ながらも今一つ、実感がわかない。

お通夜が終わり、しばらくすると亡骸と対面させて頂くことができた。
何とも言えない気持ちになっていると
先程、お友達と話をされていた娘さんが話しかけてきた。

僕がお焼香を上げている時に「写真で見たことある人だ」と思われたそうで
バンドの名前と、そこでギターを弾いていることを話すと
「あ~そうだ」という表情をされた。

ご家族と会ったのは、これが初めてだったんだけれども
きっと楽しそうにご家族に話をしてくれてたのかな?なんて思ったりした。

いつだったか、その娘さんのことを話したことがあった。

「今度ね、娘が結婚することになってさ、相手の親と顔合わせの日がLIVEの日なのよ~」と
残念がってはいるけど、嬉しそうに話してくれた。
ところがLIVE当日。
前のバンドの演奏を聞きながら出番を待っていると、ハコの中に入ってこられて
「あれ、今日は顔合わせだったんじゃないんですか?」と聞くと
「日程がずれたのよ」といたずらっぽく笑ってらっしゃった。

娘さんと話をしながら、僕はそんなことを思い出した。

我が家の息子のことも気にかけてくれていて
事あるごとに「やっとんは元気?」と話してくれ
実際に会った時は、いつも以上にニコニコしながら接してくれた。

音楽仲間が言った。

「感謝しかない」

本当に、その言葉に全てが集約されているように思う。

昨日だったか、それまで実感がわかないままだったのだが
仕事帰りの車中で、妙に実感がわいてきた。
「あ~、もうあの笑顔にはお会いすることが出来ないのか…」
何とも言えない気持ちになった。

どこかに顔をだすと「あら、トオルさん。今日はネコちゃんは?やっとんは?」と
ニッコリしながら話しかけてきてくれる気がする。

トモグッチさん
今まで本当に有難うございました。
どうか安らかにお眠り下さい。


今回のことで
少し気持ちが動いたというか

結局のところ
僕は自分が楽しみたいがために、ギターを弾いているに過ぎない

しかし、そういう時間を楽しみにしている人がいて
その楽しさを持ち帰って家族に話したりしてくれている人がいる

少しでも楽しみにしてくれている人がいるのならば
やり続けることも大事だし
息子にも「楽しく過ごしているお父さん」を見せたいとも思う。

動かなければ。

それが感謝していることを体現する一番の方法なんだと思った。